翻訳することに関しては、The Video Game Criticの管理者Dave氏から承諾を得ています。
発売元 Imagic (1983)
評価 B-
少なくとも、No Escape はその完全なる独創性に対して功績を称えることが出来る。
そのゲーム内容は貴方が今まで見てきたあらゆるものとは違い、また明言するならば、未来において目にするであろうあらゆるものとも違う。
プレイヤーはJason the Argonautを操作して、主人公の頭上に飛来してくる神話上の“フリアエ”という怪物を倒すべく試行錯誤しながらギリシャ神殿の床を横切っていく。
プレイヤーは石を上に投げることが出来る(そしてある程度は石を操作することも出来る)。しかし、その石はキャッチされてしまう。― プレイヤーはフリアエに石を投げて直接打ち倒すことは出来ないのだ。
むしろその行為は彼らを生まれ変わらせる原因となってしまい、まったくいいことがない。
その代わりに、プレイヤーは神殿の屋根を形作っているカラフルなレンガに石をぶつけてそれを落とし、下にいるフリアエにそのレンガをぶつけて倒してしまわなければならない。
これは面白い工夫だ。― 背面から射撃するゲームとでもいうべきものになっている。
この方法だと精度を少々欠いてしまうけれど、一度に二つや三つのレンガを同時に落とすことができるという仕様が私は好きだ。パックマン・ジョーンズちゃんがやったみたいに札束を撒き散らす如く(アウウ イィィエァ!)。
だが、不注意には気をつけよう ― 落ちてくるブロックはプレイヤーの操るギリシャのクソ野郎にもぶつかるのだ。
このゲームでは複数の明るい色で描かれていて創意に富んだ、高解像度の怪物が波のように次から次へと押し寄せてくる。
それらの多くが何であるのかどうしてもよく分からないが、待ち構えている次の編隊を見るのはいつも楽しい。
『No Escape』でイライラさせられることの一つとして、自キャラが簡単にやられてしまうことが挙げられる。敵のフルアエは主人公の頭の一ミリ上をよく漂ってきて、避けることが困難な火の玉をこちらに投げてくるのだ。後になって彼らが不規則に動き始めると、レンガが敵に当たるかどうかは運を天に任せるだけになってしまう。
ファイアボタンを押し続けることによって、フリアエの動きにある程度の影響を及ぼすことが可能であると、ある鋭い読者が説明してくれた。彼は正しい。しかしそれは、上級者だけができる類のとても限られた、ファンキーな操作法なのだ。
それにも関わらず、『No Escape』は月並みなシューティング・ゲームや迷路ゲームの殻をうまく打ち破ることに成功している。
また、主人公のJasonがペガサスに乗って飛翔するところを描いた粋な短いエンディングに栄誉を称えたい。